やる気があり、スキルも持っていて、キャリアもあるけれど仕事が"できない"人がいるという事を最近強く意識するようになった。仕事ができないというのは、キャリアとスキルに見合った仕事が見つからないという意味でだ。
特に日本ではキャリア意識が強く「全ての仕事に価値がある」と表向きには言うものの、実際に飲食店や何かの販売店の店員よりも、銀行員や商社勤務などの人間を上位に考えてしまいがちだと思う。
欧州では、Mドナルドの社員であっても、銀行員であっても階級意識は日本より遥かに少ない。勤務時間、給与体系、休暇制度など様々な要素があっての事だが、今回の本題とは関係がないので割愛しよう。
日本人のキャリアの考え方
さて、日本では職業の階級意識が強いという話は納得してもらえるかと思う。私個人の思想は抜きにして、あくまでも一般論として読み進めて欲しいのだが、やる気あり・スキルあり・キャリアありの元大手広告代理店勤務の女性が、出産を機に退職し、子供が中学校に入った時点で復職を目指したが、"下級の"仕事しか見つからない。出産前はキャリアもあり、スキルも申し分なかった。復職を目指しているのでやる気ももちろんあるにもかかわらずだ…。
このような状況にいる人を、個人的に何人も知っている。
上記のような人が選べる道は基本的には2つしかなく、"下級の仕事"なのでやらない、もしくはキャリアとプライドを封印しながら"下級の仕事"をやる、の2択だ。一流大学を卒業し、みんなが羨む会社に就職したものの、人生半ばにして乳飲料のデリバリーをしてくすぶっている。(決して乳飲料のデリバリーが悪いと言っている訳ではない。キャリアと関係のない仕事の一例としてあげただけなので誤解しないで欲しい。)
社会としてキャリアを選べないなら
そういった人に言いたい、是非クリエイティブなことにチャレンジして欲しいと。仕事でなくてもいい。趣味でも自己満足でもいいので、時間と体力を売ってお金を貰うだけではなく、自分の能力を解放して何かをしてもらいたい。
もちろんアートでも運動でもいいのだが、ある一定の尺度を仮に定め、"お金を得られる仕事"と限定した場合、オンライン以上の舞台は今の世の中には存在しない。
個人が大企業と対等以上に勝負でき、初期費用はほとんど必要なく、障壁も無いに等しい。匿名性が高く、誰にも知られずに試してみることもできるし、試した結果うまくいかない場合は辞めることも容易い。
そして何よりも、本人にやる気・スキル・キャリアがあるのだから、クオリティと独創性は素晴らしい。
世の中にスパイスを
こういった人たちがアクションを起こすことで世の中はますます面白くなる。
ほんの一例で、既にご存知の方もいるかと思うが、ハンドメイド布バッグの shiroi mokurenは主にオンラインに販路を持つカバン作家だ。
薔薇がトレードマークの百貨店でも販売された実績があるのだが、初めは趣味が高じて、のようなものだった。(少なくとも外部からはそう見えていた)。今ではオーダーメイドも請けていて、例えば思い出の革ジャンをカバンに作りなおすサービスなどは、今やムーブメントと言えると思う。
何も「有名になれ」とは言わない。ただ、世の中を面白くできる力とやる気のある人は、是非チャレンジして欲しいと思う。