インターネットサービスとインフラ
世に出ては消えていくオンラインサービスの数々。今回は現在隆盛を極めているサービスを考えてみようと思う。
オンラインでは、人の流れを多く集めたものが勝者となる。しかしそれは、よくよく考えてみるとオンラインに限らず、現実世界でも全く同じだ。だからこそ駅前のテナント料が高い。利便性なども含めて考えると、当然利用者数のみがテナント料に反映されているわけではないが、大きな比重を占めているのは明らかだ。
今インフラ化に成功しているオンラインサービスは、Yahoo、Google、Amazon、楽天市場、クックぱど、HISなどが挙げられるかと思う。
改めて考えてみると、こういったサービスの中にオンラインでしか実現できない事というのは非常に少ない。現実世界でもインフラとして存在するものをオンラインに置き換えて成功した事例がほとんどである。
逆に振り返って、失敗例を見ると、オンライン独自サービスが多い。もしくは現実世界でも同じようなものがあった場合にも、現実世界ではインフラとは呼べず、セカンドライフに代表されるような、「有名なゲーム」になれたものでも、一過性に終わっている場合が多いように見受けられる。
超巨大コンテンツサービス
そんな中、現実世界でインフラとは呼べるようなものがなくとも、巨大サービスとなったものもある。Facebook、Twitterなどは、あえて言うなら「仲良しグループ」をオンライン化したものである。しかしながら、最も「仲良しグループ」を具現化していたはずのmixiはもはや下火となりつつある。Facebookは「仲良し」と「社交」の間という微妙な立ち位置だと考える。
個人的な見解では、Twitterはブーム以上の存在にはなれないように思う。
ブームの大きさはが巨大なのでなくてはならないサービスに見えてはしまうが、結局のところは「インフラ」にはなれない。また「便利ツール」であるSkypeとも微妙に違う、「みんながやっている遊び」に落ち着くのではないだろうか。
当然Twitterの経営戦略はこれからも変わるだろうし、提供サービスも変化し、インフラとなる可能性は大いにある。しかしながら、現状のままいくとするなら、あくまでも「デバイス革命の流れにのった超巨大なブーム」に終わってしまいそうだ。Facebookはどうだろうか。こちらも個人的には、インフラ化には疑問符が残る。
どう行動すべきか
しかし、現実は小説より奇なり。何が起こるかは誰にも分からない。それこそ、サービスを提供している本人すら分からない。Twitterが、元々は業務ではなく、プランBとして遊びで提供し始めたが、本人の予想すらを裏切って爆発的に成長した話などは有名だ。
結果としては柔軟に迅速に対応していくことこそが、最も必要な事である。理屈をこねくりまわして「考え」たり、「知識を増やし」たりしている間に、オンライン上では5回の試行錯誤が可能である。しかも試行錯誤のコストは驚くほど低い。
現実世界で、マーケティングや理論、学問が重要な理由は、行動の精度をあげなければならないからに他ならない。なぜなら行動のコストが非常に高く、精度が低いと実にならないまま一生が終わってしまうからだ。
ならば、行動のコストがゼロだったらどうか。マーケティング、学問もそれなりに手間、金、時間がかかる作業だ。オンライン上では行動のコストがマーケティングのコストを下回る事はしばしばある。
最低コストの最大リターンを考えた場合に、自ずと出てくる答えは、頭でっかちに考えるよりも「試し、結果を見る」方が賢い行動であると言える。